【座席が快適】エアージャパン(Air Japan)ってどんな航空会社?成田=ソウル線搭乗記

Air Japanアイキャッチ 乗り物関連

・Air Japan(エアージャパン)ってどんな航空会社?
・Air Japanに実際に乗った感想はどう?
・座席がよいって聞いたけど、ほんとかな?

この記事にたどり着いたみなさんは上記のような疑問をお持ちではないでしょうか?

Air Japanってあまり聞きなれない航空会社なので、サービスや運賃のルールはどうなっているか等、気になりますよね。
この記事では元航空会社勤務で、旅行が趣味の私が、実施に成田からソウルへの便に乗った体験を踏まえてAir Japanについてご紹介します。

特に座席が快適だったよ〜

この記事を読めばAir Japanについての知識を一通り押さえることができるでしょう!

エアージャパン(Air Japan)ってどんな航空会社?ANAグループの中距離国際線向け新ブランド

エアージャパン(Air Japan)は、2024年2月にANAグループの新ブランドとして就航した航空会社です。
主に中距離国際線の運航を担うブランドとして設立されました。

LCCと同じく機内食や座席指定、荷物の預け入れ等は基本的に有料です。
ただ座席の足元はやや広めであったりとLCCとFSC(フルサービスキャリア)のいいとこ取りができる、「ハイブリッドキャリア」をコンセプトとして掲げています。

日本での拠点空港は成田国際空港で、2024年7月現在、AirJapanブランドとして「成田=バンコク」、「成田=ソウル」、「成田=シンガポール」の3路線に就航しています。

実は新しい航空会社ではない?

エアージャパンは新しい航空会社ではない
ホノルル空港に駐機中のANA機。かつてはホノルル路線もエアージャパンが運航していました。

実はエアージャパンは新しい航空会社ではありません

1990年にワールドエアネットワークとして設立され、2001年に商号を「エアージャパン」に変更後、一貫して中型機材(B767、B787)を使用してANAから受託した国際路線の運航を行ってきた意外と歴史のある航空会社です。

会社設立からは30年以上、エアージャパンとして運航開始してからも20年以上の歴史があるよ~

ANA便名で運航されるエアージャパン便は客室乗務員の方の制服や機内サービスがANAと同一なので、みなさんも気づかないうちに乗っていたことがあるかもしれません。

東南アジア路線を中心に、ANAからの運航受託は独自ブランドの「Air Japan」就航後も行われています。
そのためエアージャパンの乗務員のみなさんは、便によってANAの制服とAir Japanの制服を着替えたり、異なるサービス基準への対応が求められるなど、業務としても「ハイブリッド」な対応が求められるようです。

就航路線

2024年7月現在、Air Japanブランドとして下記の3路線に就航しています。

『成田=バンコク(スワンナプーム)』※毎日運航
『成田=シンガポール(チャンギ)』
※月木金土日運航
『成田=ソウル(仁川)』
※毎日運航

使用機材、座席について

エアージャパン機材

使用機材

Air Japanの使用機材は中型機材であるボーイング787-8です。
2024年7月現在、2機を運用しています。

運用中の2機はいずれも、ANAで運用されていた機材をAir Japan向けに改修した機材です。

座席

Air Japan機のシートマップ Air Japanホームページより引用

座席は全席エコノミークラスで、座席数は324席です。

シートピッチ(座席の前後間隔)は他のLCCと比べてやや広く81センチ(32インチ)となっています。
これはANAの国内線向け787のシートピッチ、79センチ(31インチ)よりも少し広く、現在Air Japanが就航している路線程度の搭乗時間であれば、あまりストレスなく過ごす事ができるのではないかと思います。

参考に、中距離LCC市場で今後ライバルになるであろう各社のエコノミークラスのシートピッチは下記の通りです。

航空会社シートピッチ
Air Japan81センチ(32インチ)
ZIP AIR79センチ(31インチ)
スクート79センチ(31インチ)
エアアジア79センチ(31インチ)
※標準的な広さの座席での比較

運賃や座席指定、荷物の規定

運賃

運賃タイプは、「Simple」、「Standard」、「Selected」の3種類があります。
それぞれの運賃の特徴は下記の通りです。

Simple

まったくオプションのついていない運賃です。
座席指定や荷物預け、機内食を利用する場合は必ずオプションを購入する必要があります。

Standard

Standard運賃には事前に下記のオプションが運賃に含まれています。
・バンコク線およびシンガポール線 1,500円まで、ソウル線 800円までの事前座席指定
・23㎏までの預入手荷物1個

Selected

Selected運賃には事前に下記のオプションが運賃に含まれています。
・バンコク線およびシンガポール線 3,000円まで、ソウル線 1,200円までの事前座席指定
・23㎏までの預入手荷物2個
・機内食

いずれの運賃でも購入後のキャンセルや便の変更はできませんでしたが(ソウル線を除く)、2024年10月27日(2024年冬ダイヤ運航初日)以降はStandard、Selected運賃については所定の手数料を払えばキャンセルが可能になります。

詳しいルールはAir Japanホームページをご確認ください。

座席指定

成田=ソウル線の座席指定料金 バンコク線、シンガポール線は料金テーブルが異なります。 Air Japanホームページより引用

座席指定料金は着席位置、足元の広さごとに細かく区分されています。
StandardとSelectedの各運賃では一部座席の指定料金が運賃に含まれています。

最前列座席や非常口座席を指定する場合は、どの運賃タイプでも座席指定料金は同じです。

座席指定について詳しくはこちらのページをご参照ください。

預け入れ荷物料金、機内持ち込み手荷物

預け手荷物料金表 Air Japanホームページより引用

荷物の預け入れには追加でオプションを購入するか、「Standard」または「Selected」運賃を選択する必要があります。

オプションを購入する場合は航空券購入時が一番安く、その後購入タイミングが遅くなるに従って価格が高くなっていくのは一般的なLCCと同じです。

ゴルフ用品やサーフボード等のスポーツ用品を預け入れる際は、別に料金テーブルが設定されています。
スポーツ用品の預け入れは、「Standard」または「Selected」運賃購入でついてくる預入手荷物オプションには含まれていないため注意が必要です。

どの運賃タイプであっても、機内持ち込みできる荷物は1人あたり7kgまでです。

ANAマイルは使える?

ANAマイルはそのままでは使うことができません。

ただし、2024年6月3日よりANAのマイルをAir Japanのフライトバウチャーに交換できる制度がはじまりましたので、この制度を利用すればANAマイルをAir Japanの航空券支払いに充当することができます。

交換レートは下記の通りです。

ANAマイルAir Japanフライトバウチャー
1,000マイル900円分
5,000マイル4,500円分
10,000マイル11,000円分

10,000マイルを交換した場合のみ交換倍率が1.1倍となりますが、全体的に交換レートはあまりよくないため基本的にはANAマイルはANA便で消費するのがよさそうです。
ただ今後キャンペーン等で交換倍率がアップする可能性もありますので、動向はこまめにチェックしたいですね。

実際に乗ってみた(搭乗記)

ここからは、先日妻と韓国に行った際にAir Japanに搭乗した際の様子をご紹介します。

今回の運賃額

今回の運賃は下記の通りでした!

妻 Standard運賃 21,710円
私 Simple運賃  19,710円(座席指定オプション 500円分を含む)
合計        41,420円

預け入れ荷物一つ分と席がバラけないように座席指定オプションをつける場合、上記の組み合わせが最安でした。
ただ予約の際に、同じ予約記録で1人ずつ別の運賃タイプを選択することはできないため、予約を分けなければならないのが若干面倒ではありました、、、

チェックインは自動

Air Japan搭乗券
送られてくるメールからiPhoneのwalletに搭乗券を追加できます。

成田空港出発便については4時間前に自動でチェックイン手続きが行われます。
メールで搭乗券が送られてきたので、預け入れ荷物がない場合はそのまま保安検査に向かうことができます。

成田空港では第1ターミナルの南ウィングを使用

Air Japanの成田空港での使用ターミナルはANA便と同じ、第1ターミナルの南ウィングです。

荷物預け

手荷物カウンター

ホームページやメールには自動手荷物預け機が使えると記載がありましたが、搭乗した日はなんらかの不具合があったらしくAir Japan便では荷物預け機を使うことができませんでした。

そのため有人カウンターで荷物を預かってもらいました。

ここで紙の搭乗券も発券されました。
搭乗券は一般的な国際線と同じ厚紙タイプです。

紙の搭乗券

搭乗から離陸まで

ゲートは57B

いつも同じゲートかは分かりませんが、この日の搭乗ゲートは57Bでした。
出国検査場からは少し離れたゲートです。

9時55分出発予定で、搭乗開始は9時15分の予定でしたが、少し遅れて9時20分ごろに搭乗案内が始まりました。
私たちは少し前寄りの座席を指定していため、機内に入れたのは9時30分過ぎでした。

その後は割とサクサクと進み、離陸までは下記の通り比較的順調に進行しました。

9時55分 ドアクローズ
9時58分 出発(ブロックアウト)
10時15分 離陸

座席

足元は確かに広い

ここからは座席のご紹介です。
前評判通り、たしかに座席の前後間隔は広く、座った瞬間「広いな」と実感できるものでした。
身長177cmほどの私が座っても足元には十分余裕があります。

足元は広々
足元にはかなり余裕があります。

下の画像は帰りに乗ったイースター航空の座席です。
明らかに膝が詰まっており、こうして見るとAir Japanの座席の広さがよく分かります。

イースター航空の座席

USBタイプCの充電端子あり

座席には充電端子の設置があります。
最新の座席らしく、最近利用する機会が増えているタイプCのUSBを差し込める端子もありました。

私の充電ケーブルもタイプCなので、これには大助かりでした。

USBコンセントがあります

タブレットホルダーもある

タブレットホルダーもついていました。
座席のモニターはありませんが、事前に自分のデバイスに映画等をダウンロードしておけば機内エンターテイメントに困ることはなさそうです。

タブレット置き

機内エンターテイメント

機内にはWiFiが飛んでおり、自分の端末を接続することができます。
ここから映画を含むいくつかの動画コンテンツとフライトマップ楽しめ、食事や飲み物の注文も行うことができます。

機内WiFIの案内

一方でインターネットに接続する場合は下記の通り料金が発生します。
オプションは機内WiFiから購入することができ、支払いはクレジットカードのみです。

機内でのインターネット接続料金 Air Japanホームページより

食事と飲み物

今回は韓国までの短距離フライトだったため、特に飲み物や食事は注文しませんでした。
シートポケットに入っていたメニューを見てみましたが、そこまで値段も高くなく、魅力的なものがそろっているなという印象でした。

機内WiFiから簡単に注文できますので、もしバンコク線やシンガポール線だったら何か注文していたかもしれません。

機内での食べ物、飲み物メニュー

仁川空港に到着

仁川空港には12時18分ごろに着陸し、定刻の12時25分にゲートに到着しました。
この日は遅延もなく快適なフライトでした。

Air Japanに思うことと今後の期待

ここからはAir Japanに対する私の感想を記載します。

新規就航は大変

エアージャパンはもともとANAブランドの国際線運航を担う航空会社であるため、国際線の運航経験は豊富です。

しかし就航早々の2024年2月22日、機材不具合をめぐる欠航対応で同便に搭乗予定だった乗客やタイの航空当局との間でトラブルが発生しています。
タイ民間航空局、AirJapan欠航で会社側に説明要求 ANA新ブランド」(Aviation Wire)

2月22日は成田=ソウル線初便の就航予定日でもあったのですが、この欠航の影響でソウル線も欠航となってしまい、余計に注目を集める結果となってしまいました。
機材不具合自体は仕方がないと思いますが、その後の対応のマズさから炎上に発展してしまったようで、ANAからの支援もある中での就航でこのような状況になってしまうのは少し意外に感じました。

私が乗った時点で就航から4か月程度経過していましたが、自動荷物預け機が使えなかったり、機内アナウンスの音声が小さ過ぎたりと若干バタバタしている感は拭えませんでした。

ANAのノウハウを持ってしても、新規就航は一筋縄ではいかないんだな、と勉強になる事例です。

モノクラスでの就航は吉と出るか凶と出るか?

Air Japanの座席は全席エコノミークラスです。
ライバルとなる他の中距離LCC各社を見てみると、どの会社もビジネスクラスにあたる上級シートを設けています。

Zip Airフルフラットシート
Zip Airはフルフラットにもなる上級クラス席の設定があります。画像はZip Airホームページより引用

国際線ではエコノミークラスで客数を稼ぐと同時に、上級クラス席を組み合わせて客単価を上げていくのが定石です。
また今後、飛行時間長くなればなるほど、全席エコノミークラスではお客様に選ばれづらくなり、路線展開に支障が出てくる可能性もあります。

そのような意味で、Air Japanの全席エコノミークラスでの就航は正直あまり評価していなかったのですが、実際に乗ってみたところ座席は思った以上に快適でした。

これはもしかしたら人気がでるかも」と思えるものでした。

あえて定石とは違う道に行ったAir Japanの座席戦略が、今後どのように顧客から評価されるのかは注目ポイントです。

ZIPAIRとも戦えるか?路線展開等で独自色を出せるかが今後の課題

エアージャパンの路線数は2024年7月現在、成田=バンコク、ソウル、シンガポールの3路線です。
旅客数も多く、手堅い路線ですが路線展開からはまだAir Japanの独自性は見えません。

一方で、一足先の2020年に就航したJAL系列の中距離LCCのZIP AIRは、成田からソウル、バンコク、ホノルル、シンガポール、ロサンゼルス、サンノゼ、サンフランシスコ、マニラ、バンクーバーとすでに9都市に就航しています。

ZIP AIRは日本からの渡航需要をベースにしながら、アジアで最も北米寄りにあるという成田空港の地の利を生かして、東南アジアから北米方面への乗り継ぎ需要も拾っていくという戦略性の明快な路線展開をしています。

そのようにすでに地盤を築きつつある強力なライバルがいる中で、どのような路線展開を行い、存在感を発揮していくのか、Air Japanには簡単ではない舵取りが求められています。

また前述したとおり、全席エコノミークラスでの就航を選択したことで、将来の路線展開の選択肢を自ら狭める形になっていないかは気になるところです。

まとめ

Air Japanについてご紹介しました。
全席エコノミークラスながら、余裕のあるシートピッチと座席が魅力的で、これからの路線展開が楽しみな航空会社です。

まだまだ就航したばかりで機材数も少なく、運航が不安定な面もありますが、これから徐々に解消されていくでしょう。

これからも路線数は増えていくはずですので、動向は要チェックです。

ぜひみなさんも実際にAir Japanに乗ってみて、座席やサービスを体感してみてください。

ここまでお読みいただきありがとうございました!



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